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LINEが開業の準備を進めている新銀行の開発に関わる業務を担当しているチームを紹介します

LINEの開発組織のそれぞれの部門やプロジェクトについて、その役割や体制、技術スタック、今後の課題やロードマップなどを具体的に紹介していく「Team & Project」シリーズ。 今回は、LINEが開業の準備を進めている新銀行の開発業務をしているチームを紹介します。
フィナンシャル開発センター DevチームのChen Xiang、Mitchell Robert、銀行SREチームの真田安秀に話を聞きました。

開業の準備を進めている新銀行の開発業務をしているチームの皆さん

―― まず、自己紹介をお願いします

Chen Xiang: 2012年、大手ECサイトにてWeb/Data Platform開発を経験し、2021年2月にLINEに入社しました。現在は新銀行システムの開発プロジェクトに参画しています。

真田: SI企業、メディア企業、医療介護系の事業会社を経て、2020年2月にLINEに入社しました。LINE証券の開発を経験後、2021年2月より新銀行の開発プロジェクトに参加しました。

Mitchell Robert: 10年間ぐらい健康保険の業界でデータ分析サービスなど開発し、その間にマネージャーの経験を身に付け、ゲーム開発のスタートアップも立ち上げました。もっと幅広いサービスを作りたい気持ちで、2020年10月にLINEに入社して、久しぶりの日本です。たまに関西弁を使ってしまうシアトル出身のアメリカ人です。

―― みなさんがLINEに入った理由を教えてください

Chen: 前職ではECサイトのデータ構築を行うエンジニアとして入社し、その後にチームリーダーやマネージャーを経験しました。勤めて10年が経ったところで、エンジニアとしての自分の人生に一区切りをつけ、次の10年にどのようなキャリアを築きたいかを考えたのです。今後のIT化の余地がまだまだ大きな業界に挑戦したいと考えた際、それは金融業界なのではと思いました。 そこで金融系の仕事を探したところ、目にとまったのがLINEでの新銀行設立の話です。銀行事業は開業前でありながらセキュリティ部分や金融特有の法令等の対応など、さまざまなチームの協力を得ながらゼロから開発を進めていける点で大きな魅力を感じました。LINEアプリには、すでに多くのユーザーがいます。そのユーザーベースを生かして、多くのユーザーに使われる銀行にもなり得るため、サービスの成長も期待できると思いました。

真田: 前職でも一区切りついたため、次の関わりたい事業を模索していたところ、LINE x 金融という組み合わせが目にとまりました。コミュニケーションサービスやメディアやエンタメなどが中心に展開していたため、金融という世間一般的には堅い業界へ事業的にもテクノロジー的にもどうアプローチして、ユーザーにどういった体験を提供するのか興味があり入社しました。

Robert: 30代後半に入ったところ、今まで自分が歩んできた道を振り返り、ずっと同じ業界で働いてきたので、少し違う分野で挑戦したいと思いました。それに大学の時に日本に留学してからもう一度帰れたらいいなという気持ちもあって、もしするなら40歳になる前にしようと決定しました。

日本の仕事を検索していた時に、LINEの採用情報が目を引きました。LINEなら大規模多様なサービスを開発する機会が絶対あると思いました。しかも京都開発室で募集していたので、関西に親戚がいる私たち家族に良い機会になる気がしました。

―― LINEで働くやりがいを教えてください

Chen: 開発スピードを求める一般的なAgile開発手法と伝統的な金融システムの開発手法マージしながら、品質と安全性を担保した上、スピード向上に新たな開発手法を作ること自体が楽しいところの一つであります。

真田: 一般的には金融というとかなり堅いイメージをもたれてる方は多いと思います。実際厳しいセキュリティ基準や堅牢性を求められます。またLINEのサービスという性質上、多くのトラフィックやデータを処理する必要があります。

両者かけ合わせた難易度が高いシステムを求められますので、その課題に対してどう解決するのかは非常に難しくもあり、エンジニアとしても楽しめる部分があります。また一緒に働くLINEの開発メンバーは非常に優秀で、日常でのフィードバックが得られることが毎日感じられています。

Robert: 自分が担当している認可サーバーは各サービスに関わるコンポーネントであるため、非常にリクエスト数が多いのです。それに加えて、最先端のスペック(OAuth 2.1やFAPIなど)を目標しようとしているので、難易度が高くて面白いと思います。

後は様々な国から来日したチームメンバーと一緒に仕事できて、とても楽しいです。作業しながら三つの言語が聞こえる日もあります。さらに皆は優秀なエンジニアで、色々な観点から見ているので、会話やコードレビューなどが毎日勉強になっています。皆さんのお陰で、入社してから自分の技術能力レベルが上がったと感じています。こういうことはLINEならではの経験だと思います。

―― 新銀行システムの開発チームの構成・役割などについて教えてください

Chen: 以下のような形でチームを構成しています。

  • 銀行サービス開発における設計・開発のリーディング
  • API開発及びビジネスロジックの実現
  • 大容量データ処理を通しての精算、統計及び不正利用検知システムの開発
  • 金融機関の連動フレームワーク開発
  • 数千万人規模のプロモーション及びイベント処理システムの開発
  • 最新Fintechのトレンドと新技術についての研究及び活用
  • 設計・開発力向上のためのチームメンバーの指導・メンタリング

―― チームメンバーを紹介してください

Chen: 現在は12名で、多国籍なチームです。内訳としては日本・中国・米国・韓国のメンバーがいて、リモートでの業務がメインですが東京(8名)、京都(3名)、福岡(1名)でそれぞれ働いています。

ビズリーチでの求人記事や、昨年のインタビュー記事でチームメンバーを紹介していますので、こちらも是非ご覧ください。

―― 利用技術・開発環境について教えてください

Chen: このような技術で開発をしています

  • フレームワーク:Java (Spring Boot), Python,  Go
  • Standards / Protocols: OAuth 2.0 (FAPI), FIDO2 (Fast IDentityOnline),OAS (OpenAPISpecification)
  • ログ/ 監視/ 可視化基盤:Elasticstack, Zabbix
  • アプリケーション配信/実行基盤:Docker,  Kubernetes, Envoy, Istio
  • OS:CentOS, RedHat
  • DB / Cache / MQ:MySQL, Redis, Kafka
  • その他ミドルウェア/ ツール: Authlete,  Vault, SonarQube
  • 構成管理:GitLab (GitLab runner),  Ansible (Ansible Tower)

―― 今のチーム課題と、解決に向けた取り組みを教えてください

Chen: 最初のリリースに向けて全力でテストサポートをしている中、システム改善のタスクを自ら探していく必要がある状況です。スケジュールの調整、リソースアサインバランスの把握が課題の一つだと感じています。

これらを解決するため

  • エンジニアから改善ToDo項目を収集
  • 企画担当部署との連携、初回リリース以降の機能追加の仕様と改善項目の共有部分チェック
  • PMO, SRE, QAとも連携してスケジュール作成予定

といったことに取り組んでいます。

―― 最後に、新銀行の開発チームに興味を持ってくれた人にメッセージをお願いします

Chen: 最先端のIT技術で金融サービスをサポートし、分散システムで大規模データ処理を可能にしています。伝統的な金融開発を変えるチャンスと、銀行の立ち上げに関わることができるタイミングはあまりありません。他ではなかなか出来ないチャレンジがあると思います。

新銀行の開発チームではメンバーを募集しています。

LINE株式会社では一緒に働くエンジニアを募集しています!

今回のインタビューと関連する募集ポジションはこちらです、ご応募お待ちしております。