
こんにちは。LINEでテクニカルエバンジェリストとしてLINEのAPIを利用したデベロッパーのビジネスの成功をお手伝いさせていただいている立花です。
LIFFにShare Target Pickerが追加されましたので機能、メリット、活用事例をご紹介します。
LIFFについては以下の記事を参照下さい。
https://engineering.linecorp.com/ja/blog/liff-v2/
Share Target Pickerとは
Share Target Pickerとは、LIFFから送信先を選んでメッセージを送信することが出来る機能です。
これにより、
- トークルームやグループから開かれなかった場合でも、メッセージを送信できる
- LIFFアプリをLINE上で開いた場合だけではなく、ブラウザから開いた場合もメッセージを送信できる
- 自分以外の友だちや自分が入っていないグループにもメッセージを送信させることができる
といったことが可能になります。メリットを考えてみましょう。大きく2つあります。
- サービスtoユーザーで出来ることが広がり、LIFFアプリで解決できるユーザーの課題が増える
- ユーザーtoユーザーのメッセージ送信が可能になり、ゲーム等でソーシャル要素を持たせることが可能に
どちらもサービス運営者の方には嬉しいメリットではないでしょうか。
使い方
Share Target Pickerを利用するためには、LINE Developersのチャネル内LIFFタブ内にて利用規約に同意する必要があります。同意はShare Target Pickerを利用しようとするチャネル毎に必要です。

同意したら、liff.sendMessages()
の代わりに以下を呼び出すだけです。
liff.shareTargetPicker([
{
type: "text",
text: "this is a test"
}
])
.then(
alert("ShareTargetPicker was launched")
).catch(function(res) {
alert("Failed to launch ShareTargetPicker")
})
これでユーザーが送信先を選んでメッセージを送信することが可能になります。
サンプルLIFFアプリ
サンプルLIFFアプリを作ってみましたので動作を動画でお見せします。実際に触って見たい方はこちら(アプリ経由)もしくはこちら(ブラウザ経由)から。
(※アプリ経由のShare Target PickerはiOS版とAndroid版のLINE 10.3.0以降でサポートされます。)

家族に帰宅時間をLINEするようなケースを考えてみて下さい。そのために必要な手順は、
- LINEを開く
- トーク一覧タブを開く
- トークルームを探し、開く
- テキストボックスをタップし、キーボードを開く
- キーボードを数字に切り替える
- 数字を入力
- キーボードを日本語に切り替える
- 「時に着きます」等と入力
- 送信ボタンをタップ
毎日繰り返している作業ですので無意識にやっていますが、結構な手数が必要です。しかも、座っている状態なら簡単ですが自転車に乗っていたり、徒歩で移動中などの時は危険ですね。また、電車が止まったり事故にあってしまった時など、上記の作業が何度も発生してしまう場合もあります。
これをLIFFをShare Target Pickerを利用したサンプルアプリ利用に置き換えてみます。その際の手順は
- ホーム画面にあるLIFFアプリへのショートカットをタップ
- 帰宅時間を入力するためのボタンをタップ
- Share Target Picker経由で送信先を選び、共有
と、とても簡単に入力できます。
また、ショートカットをホーム画面に追加しそこからアクセスしているため、LINEアプリを操作することなくメッセージの送信が可能になります。
しかもこちらの場合は送信できるのはトークルームを開いている相手だけではなく、好きな相手に、同時に共有できます。
子供にも帰宅時間を知らせたいような場合には便利ですね。
まとめ
LIFFのメッセージ送信強化によりこれまではMessaging APIの補助としてのイメージがあったLIFFが、より独立した「アプリケーション」として振る舞えるようになりました。
今年はスーパーアプリやOMO等、サービスのあり方やプラットフォームに大きな変化が予想されています。
皆様からの面白いLIFFアプリの登場を心待ちにしております。
追記
2020年3月25日、オンラインにてLINE Developer Community主催の勉強会「【オンライン】Share Target Picker を試してみた」が行われました。
当日は私からShare Target Picker含むLIFFの重要性やLIFFの活躍が予想されるミニアプリの可能性についてご説明した後、API Expert含む開発者の皆様から4つのLTが行われました。
Youtubeのアーカイブと資料を掲載しますので是非御覧ください。
三浦 耕生さん ※ API Expert
中村 優輝さん(クラスメソッド株式会社) ※API Expert
金谷 拓哉さん(株式会社 神戸デジタル・ラボ) ※ API Expert
ターゲットピッカーの動作環境について (2020年3月3日21:30 追記)
- ターゲットピッカーは、LINEアプリ(iOS / Android) ver10.3.0以降でサポートされます。
シェアターゲットピッカーを有効化すると、LIFFアプリでのシェアターゲットピッカーの利用有無にかかわらず、LINEアプリ(iOS / Android)ver10.3.0未満を使用しているユーザーが、そのチャネルに関連付けられたLIFFアプリを起動したときにエラーが表示されます。
(2020年3月5日18:00 追記)
上記の仕様を改修し、シェアターゲットピッカーを有効化していても、ターゲットピッカーを使用していないLIFFアプリは、ユーザーのLINEアプリのバージョンに関わらず影響を受けなくなりました。
サポート対象外のバージョンを利用しているユーザーには、エラーメッセージが表示されます。