こんにちは、Developer Successチームの桃木です。
11月25-27日の3日間に渡ってオンラインで開催予定の「LINE DEVELOPER DAY 2020」のセッション一覧をアップデートし、全てのセッション情報を公開しました。
「LINE DEVELOPER DAY 2020」公式Webサイト: https://linedevday.linecorp.com/2020/ja/
今年のLINE DEV DAYでは、LINEや関連会社のエンジニアを中心に200名を超える方々に登壇いただき、合計156のセッションを予定しています。 その中で、総勢36名の国内外のゲストの皆さまにご登壇いただき、講演・パネルディスカッション合わせて30セッション(講演20、パネルディスカッション10)を行います。
この記事では、「LINE DEVELOPER DAY 2020」で行われるゲストによる講演形式の全20セッションについて、概要と登壇者のプロフィールをまとめます。
*ゲストを含むパネルディスカッションの紹介記事:https://engineering.linecorp.com/ja/blog/introduction-panel-discussion-with-guests-devday2020/
Day1 − 11月25日(水)
AI/Dataトラック
13:40-14:20 機械学習研究のこれまでとこれから
機械学習の技術は近年大きく発展し,音声認識,画像理解,自然言語翻訳などでは人間を超える性能を達成しつつあります.一方,医療や災害など良質なビッグデータが容易に集められない応用分野も多々あり,更なる技術の発展が望まれています.このような背景のもと,本講演では,機械学習研究のこれまでの発展の経緯を概観し,現在,機械学習の研究が国際的にどのように行われているかを紹介します.そして,我々のグループで開発している収集コストの低い「弱教師付きデータ」を用いた機械学習手法や,異常を含むデータに対するロバスト機械学習手法を紹介し,最後に,機械学習研究が今後向かうべき方向について皆さんと議論させていただければと思います.
杉山 将
理化学研究所 革新知能統合研究センター / センター長 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 / 教授
2001年に東京工業大学博士課程修了し,同大学助手,准教授を経て,2014年より東京大学教授に就任.機械学習の理論構築とアルゴリズム開発,および,その産業応用に従事.2016年度日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞を受賞.2016年より理化学研究所革新知能統合研究センターのセンター長を併任し,人工知能の汎用基盤技術,目的指向基盤技術,社会における人工知能の3つの研究グループを統括.
Securityトラック
14:20-15:00 Real or Fake? ~メディアセキュリティ・プライバシーのこれから~
高性能なセンサを内蔵したスマートフォンの爆発的な普及により、他人の顔や音声、さらには指紋や虹彩といった膨大な生体情報が、撮影や録音を経て、サイバー空間に共有されることで、プライバシーの侵害だけでなく、生体認証の突破といった脅威が指摘されている。さらに、これらの高品質な生体情報を学習データとして用いることで、ディープフェイクを始めとした高品質なフェイクメディアの生成が容易になっており、人間の意思決定に悪影響を及ぼすことが懸念されている。本セッションでは、このような脅威を概説するとともに、現在、講演者らが取り組んでいる、サイバー空間における生体情報の流通を、本人の意思に応じて制御する技術や、フェイクメディアの検知技術、生体情報の匿名化技術などについて紹介する。
越前 功
国立情報学研究所 / 所長補佐・教授
1997年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了(応用物理学)。日立製作所システム開発研究所を経て、現在、国立情報学研究所所長補佐、情報社会相関研究系教授。東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻教授。2010年ドイツ・フライブルク大学客員教授。2016年情報セキュリティ文化賞、2014年ドコモ・モバイル・サイエンス賞など受賞。IFIP TC11日本代表。博士(工学)(東京工業大学)。
Securityトラック
17:20-18:00 AIセキュリティ超入門 - AIに対する攻撃手法と防御手法を俯瞰する
近年、ディープラーニングをはじめとする様々な機械学習を活用したAIの発展に伴い、日本国内においても顔認証システムや防犯システム、自動運転技術など、様々な分野でAIの社会実装が進んでいます。その一方で、AIに対する攻撃手法も数多く生まれています。例えば、AIへの入力データに微小な変化を加えることでAIの誤認識を誘発するAdversarial Examplesや、AIの学習データを細工することで、AIにバックドアを設置するデータ汚染、そして、AI開発に使用するフレームワークの機能を悪用することで、AIが稼働するシステムを乗っ取る攻撃など、様々な驚異が存在します。このため、AIを防御する技術の確立が急務となりますが、AIに対する攻撃手法は既存システムに対する攻撃手法とは根本的に原理が異なるものが多く、従来のセキュリティ技術のみで対策することは困難であり、AI特有の防御技術の理解が必要です。そこで本セッションでは、「AIセキュリティ超入門」と題し、AIに対する攻撃手法のメカニズムと、AIを攻撃から守る技術を幅広く・分かり易く解説します。
高江洲 勲
三井物産セキュアディレクション プロフェッショナルサービス事業部 先端技術セキュリティセンター / セキュリティエンジニア
情報処理安全確保支援士。CISSP。機械学習の脆弱性や、機械学習をセキュリティタスクに応用する研究を行っている。研究成果は、世界的に著名なハッカーカンファレンスであるBlack Hat ArsenalやDEFCON、CODE BLUE等で発表している。近年はセキュリティ・キャンプの講師や、国際的なハッカーカンファレンスのAIセキュリティ・コンペティションで審査員を務める等、教育にも貢献している。
Infrastructureトラック
15:40-16:20 WorkloadのIdentityを利用したネットワークアクセス制御
クラウド以前のネットワークのアクセス制御は、IPアドレスやポート番号をWorkloadの識別に用いることができるという前提の下、IPアドレスやポート番号を用いて記述したネットワークACLと呼ばれるルールをルータやファイアウォールに設定し、パケットフィルタリングを行うことで実現されてきました。しかし、多くの大規模なデータセンターでみられるような、フラットなIP Closネットワーク上に仮想マシンやコンテナのような多種多様なWorkloadが動的に生成され混在する環境では、IPアドレスやポート番号をWorkloadの識別に用いることは難しくなってきています。このような環境で効率的にアクセス制御を行うにはどうすればよいのでしょうか。本セッションでは、LINE Verda室の方々と共同で検討を進めている、WorkloadのIdentityを用いてパケットフィルタリングによりアクセス制御を行う技術についてご紹介します。
小谷 大祐
京都大学 学術情報メディアセンター / 助教
2016年京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻博士後期課程修了。博士(情報学)。同年4月より京都大学学術情報メディアセンター助教としてコンピュータネットワークやネットワークセキュリティの研究開発に従事。
Infrastructureトラック
17:10-17:50 Kata Containers:仮想化とクラウドネイティブの融合
Kata Containersは、標準的なコンテナインターフェースを実装し、コンテナのように実行しながらも、より強力なワークロード分離を提供する軽量な仮想化技術を用いて、安全なコンテナランタイムを構築するために活動するオープンソースコミュニティです。 Ant GroupやAlibabaでは、何千ものタスクが Kata Containers で実行されています。より強固なセキュリティ境界のほかに、リソースの分離とパフォーマンスの安定性も大規模なデプロイメントの重要な要素です。また、Kata Containersのパフォーマンスを最大限に引き出すにはどうすればよいかを常に考えており、このセッションではこれまでの経験を共有します。Kata Containers 2.0は、今年のOpenInfra Summitで10月にリリースされる予定です。
Peng Tao
Ant Group / Staff Engineer
Tao は Ant Group のコンテナランタイムエンジニアです。Kata Containers プロジェクトのコアメンテナーの一人です。クラウドネイティブやコンテナ技術を提唱しており、システムプログラミングや最適化の経験が豊富です。
Mixトラック
13:30-14:10 CERNのOpenStackオペレーターの一日
CERN(欧州素粒子物理学研究所)は宇宙の謎を解き明かすために、世界中の何千人もの科学者にインフラとリソースを提供しています。 計算科学に必要なのは、膨大な量の計算機だけでなく、柔軟で拡張性のあるインフラストラクチャも必要です。 リソースだけでなく、柔軟で拡張性のあるインフラストラクチャも必要です。これらの要件を満たすために、CERNは2013年にOpenStackをベースとしたプライベートクラウドインフラストラクチャを導入し、ユーザーと組織の内部サービスをサポートしています。数年の間に、数百コアから複数の地域に分散したマルチセルのデプロイメントへと移行しました。大規模なOpenStackクラウドを管理してきた数年の経験を活かして、CERNでのOpenStack運用者の一日をご紹介します。 インフラストラクチャのアーキテクチャと、OpenStack CERNのオペレーターの日々の課題について説明します。また、アップグレードからユーザーチケットまで、どのようにしてインフラストラクチャを稼働させ、進化させているのかを説明します。
Belmiro Moreira
CERN - European Organization for Nuclear Research / Cloud Architect
Belmiro Moreiraは、非常に大規模な環境でのクラウドインフラストラクチャの構築と展開の課題と複雑さに情熱を燃やすソフトウェアエンジニアです。CERNに勤務しており、過去10年間はOpenstackをベースにしたCERNのクラウドインフラストラクチャの設計、開発、構築を主な役割としています。それ以前は、CERNの大規模バッチファームを改善するためのさまざまな仮想化プロジェクトに携わっていました。数学の学位を保持。
Mixトラック
15:30-16:10 OpenChain - ISO Open Source License Compliance
このセッションでは、オープンソースライセンスコンプライアンスの業界標準である OpenChain についてお話しします。事実上の標準から正式な ISO International Standard になるまでの過程や、世界のサプライチェーンでの採用状況を見ていきます。OpenChain がオープンソースソフトウェアの使用や導入にとってどのような良い影響があるかということが重要なポイントです。
Shane Coughlan
Linux Foundation / OpenChain General Manager
コミュニケーション、セキュリティ、ビジネス開発を専門にしています。現在はOpenChainのコミュニティを率いており、United Nationals Technology Innovation Labsでアドバイザーを務め、様々な委員会のメンバーになっています。
Mixトラック
16:10-16:50 進化する通信プロトコル - QUICとHTTP/3で何が変わるのか
インターネット通信の基盤技術であるTCPが誕生してから40年、TLSが誕生してから20年が過ぎた今、TCPとTLSに変わる新しいトランスポート層プロトコル「QUIC」の標準化が佳境を迎えています。同時に、QUICを利用するHTTPプロトコル「HTTP/3」の標準化も進んでおり、2020年末から21年にかけては、これら新プロトコルへの移行が進むものと予測されています。QUICとHTTP/3でユーザ体験は改善するのか。セキュリティ、運用やモニタリング手法は変化するのか。本セッションでは、標準化と実装の双方に関わってきた発表者が、TCP, TLS, HTTP/2 といった既存プロトコルの抱えている問題と、それらをQUICとHTTP/3がどのように解決するか。また、今後どのような変化が想定されるかについて、解説します。
奥 一穂
Fastly / Principal OSS Engineer
Fastly等で利用されているHTTPサーバ「H2O」、TLSライブラリ「picotls」、QUICライブラリ「quicly」の主開発者。プログラムを書くかたわら、IETFでのプロトコル標準化にも参加。現在HTTPとTLSの拡張草案の著者を務めている。
Mixトラック
17:20-18:00 音声認識のEnd-To-Endモデルに関するGoogleの研究
ニューラルネットワークの人気が音声認識の分野で再燃したのは10年ほど前ですが、当時は主として音声認識システムの音響モデル(音素単位のモデル)にニューラルネットワークは使用されており、その音響モデルは言語および発音モデルと組み合わされて、音声認識システム内で使用されていました。その後の研究により近年では音声認識システムは音声からテキストを出力するまでの一連の流れを単一のニューラルネットワークとして構築できることが示されてきました。いわゆるEnd-To-Endのシステムです。これらのモデルの興味深い点は、同時最適化により、コンパクトで高精度、さらに手動による設計の必要がほとんどないため簡単に構築できるということです。その一方で従来のシステムよりも、モデルの管理およびオンライン操作に関して研究課題も多数明らかになっています。今回のセッションでは、Googleがそのような問題に対処するために行ってきた研究について解説します。
Michiel Bacchiani
Google / Senior Staff Research Scientist
この15年間Googleで音声研究。Google Tokyoで音声と自然言語理解のモデリングに共同で取り組む研究グループをマネージ。過去には、Google音声認識製品の新しいニューラルモデルアーキテクチャを開発する音響モデリングチーム、IBM Research、AT&T Labs Research、京都のAdvanced Telecommunications Research labsに所属。
Day2 − 11月26日(木)
AI/Dataトラック
13:00-13:40 Fugaku: the First 'Exascale' Supercomputer for Society. 5.0
富岳は、HPL-AI等の新ベンチマークにおいてエクサフロップス級の演算処理を達成し、かつ実際のアプリケーションにおいても高い性能を実証した、世界初の「エクサスケール」のスーパーコンピュータです。富岳の開発理念は「アプリケーション・ファースト」であり、その高性能演算能力は、従来の従来の科学技術演算だけでなく、HPC、AI、ビッグデータ解析の他、仮想(IDC/ネットワーク)と現実(IoT)の融合を含む幅広い様々なアプリケーションに適用されます。これにより、富岳は日本の科学技術国家戦略である、仮想空間と現実空間を高度に融合させるSociety5.0の早期実現と推進に大いに貢献することが期待され、特に富岳自身だけでなく、今回開発された富岳の技術がクラウドに活用されることで、迅速な社会効果が達成されます。既に、富岳は予定を1年前倒して一部運用を開始し、新型コロナウィルスに代表される様々な社会的課題の解決ならびにSociety 5.0における比類なき性能を幅広く実証しています。
松岡 聡
理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS) / センター長
日本のトップクラスのHPC研究センターである理研R-CCSのセンター長。4つの主要ランキングすべて(2020)で世界最速のスーパーコンピューター「富岳」を開発および主催。 東京工業大学の教授でもあり、HPC、ビッグデータ、AIを研究を続けている。 HPCの最高栄誉である、ゴードン・ベル賞(2011)、シドニー・ファーンバック賞(2015)を受賞。ACM/IEEE SC13のプログラムチェア。
AI/Dataトラック
17:10-17:50 信頼されるAIの実現にむけて
深層学習の急速な発展に伴い、画像や音声などの認識精度が人間の認識能力を超える程度にまで改善した。今後は機械学習が人間や社会にとって重要な判断や意思決定の一部を担うようになることが予想される。AIが人間の認識や判断を肩代わりできるようになるためには、人間が担保していたその判断に対する信頼性をもAIが肩代わりできることが必要とされる。講演では、信頼されるAIの実現のために解決すべき課題を明らかにするとともに、信頼されるAIの実現に向けた近年の取り組みについて紹介する。
佐久間 淳
筑波大学 システム情報系 / 教授 理化学研究所 革新知能統合研究センター / チームリーダー
2003年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。同年日本アイ・ビー・エム株式会社入社、東京基礎研究所に配属。2004年、東京工業大学総合理工学研究科助手(助教)、2009年、筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授、2016年同教授。2016年、理化学研究所革新統合知能研究センター 人工知能セキュリティ・プライバシーチーム チームリーダー、現在に至る
Frontendトラック
16:30-17:10 進化する Web エコシステムとパフォーマンス
「ウェブだと○○ができない」「ウェブよりアプリの方が快適」こういった会話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。近年、実はたくさんのことがウェブで実現できるようになっています!このセッションでは、Web 標準の様々な API や PWA など、アプリと同等の UX を実現する技術や導入事例を紹介します。また、近年ますます重視されているウェブパフォーマンスについて、ウェブにスピードが求められるようになった背景や重要なメトリクス、実際の改善施策についてもお伝えします。
宍戸 俊哉
Google / Web Ecosystem Consultant
グーグル合同会社の技術コンサルタント。2018年より現職。ウェブ領域でのパートナー向け技術支援を担当し、PWA や AMP などの普及を推進。サイトのパフォーマンス改善や新しいウェブ技術が好き。
Day3 − 11月27日(金)
AI/Dataトラック
13:30-14:10 Towards the Lakehouse vision
このセッションでは、新しく誕生したテクノロジープラットフォームであるLakehouseについて説明します。このプラットフォームは、データレイクとデータウェアハウスの最高の要素を組み合わせた、新しいシステム設計によって実現しました。すなわち、類似のデータ構造とデータ管理機能をデータウェアハウスに直接実装し、データレイク用の低コストストレージのようなものとして使用します。また、Apache Spark、Delta Lakes、Delta Engine など、DatabricksでLakehouseの使用を実現するために私たちが構築している基本技術についても解説します。
Reynold Xin
Databricks / Cofounder & Chief Architect
Databricksの共同創業者兼チーフアーキテクトです。Apache Sparkプロジェクトの共同クリエイターであり、トップコントリビューターでもあります。カリフォルニア大学バークレー校でコンピューターサイエンスの博士号を取得しました。
AI/Dataトラック
15:40-16:20 ヤフーのデータソリューションサービスとそれを支える技術
Yahoo! JAPANでは、検索やメディア、Eコマースなど多岐にわたる事業を通じて蓄積してきたデータを分析し、自社のサービス改善に活用しています。 2019年11月には、データの力を外部企業や自治体でも活用できるよう、ヤフーデータソリューションサービスをリリースし、さらなる発展を遂げてきました。データソリューションサービスがどのような技術基盤によって支えられているか、それによってどのような実績が生まれたかについてお話させていただきます。
小川 修司
ヤフー データ統括本部 データアプリケーション本部 データソリューション部 / 部長
2003年ヤフー株式会社入社。サービス開発、プラットフォーム運用、社内データ活用システムの開発を経て、現在はデータソリューション事業のシステム開発の部門を担当しています。
Developer Product | OSSトラック
15:10-15:50 Why-What-How LINE ミニアプリ with AWS サーバレス
LINEミニアプリの基礎技術となるLIFFやコミュニケーションの主軸になるMessaging APIとAWSサーバレス アーキテクチャを組み合わせた場合のメリット、選択指針や実現方法を理解いただき、明日から始まるLINEを活用したサービス開発に活かすためのセッションです。なぜLINEミニアプリやLIFF, Messaging API と AWS サーバレスアーキテクチャの相性が良いのか、どのようなアーキテクチャが考えられるのか、それらをスケーラビリティ・デプロイ・運用監視などの観点からどのようにプロダクションワークロードに落とし込むのか。LINEを活用したサービス開発でのユースケースとここ最近のAWSのアップデートをもとに、LINE with AWSサーバレス における Why / What / How をお届けいたします。
石本 遼
Amazon Web Services Japan 技術統括本部 インターネットメディアソリューション部 / ソリューションアーキテクト
SIerにて、通信事業者でのミッションクリティカルシステム開発や、エンタメ事業での高トラフィックWebシステム開発をインフラ中心に経験し、ビジネス と連動したアーキテクチャ設計の面白さやクラウドの将来性を知る。2019年5月にAWSに入社し、現在はデジタルネイティブ/インターネットメディアのお客様を中心に支援している。
Developer Product | OSSトラック
16:10-16:50 よりよい結果を出すためのJavaライブラリを書く方法
ライブラリやフレームワークを書くのは楽しいですよね。他の人の担当部分の制約により今まではできなかった面白いアイデアで遊ぶことができます。しかし、それを素晴らしいものにするには細心の注意を払う必要があります。このセッションではNettyプロジェクトやArmeriaの創設者であるTrustin Leeが、独自のライブラリやフレームワークを作る時やプロジェクトのためのAPIを設計する時に役立つかもしれないポイントとなるプラクティスを紹介します。
Trustin Lee
Databricks
TrustinはDatabricksのソフトウェアエンジニアで、開発者に最高の体験をもたらすフレームワークやライブラリ設計を楽しんでおり、NettyやArmeriaの創設者としてよく知られています。NettyはJVMエコシステムで最も人気のある非同期ネットワーキングフレームワークで、業界では数え切れないほどの大規模サービスを提供しています。ArmeriaはReactive StreamsとNettyの上に構築されたマイクロサービスフレームワークで、gRPC、Kotlin、Spring Bootを含む様々なテクノロジーとの統合を容易にすることで、リアクティブパラダイムへのスムーズな移行を念頭に置いています。
Developer Product | OSSトラック
16:50-17:30 Open Source collaboration: from A to Z
オープンソースの中心は、利益を共有するために人々が協力することです。耳障りはいいですが本当にそうでしょうか?このセッションではっきりと「はい」お答えできます。共有されたブレインストーミング、メンテナンス、スチュワードシップなど、さまざまなタイプのコラボレーションの実例を取り上げます。どのようなコミュニケーションツールが関係しているのか、どのような行動が成功につながるのかを学びます。"Open Source collaboration: from A to Z "は今日も続いている現実の話です。ArmeriaとZipkinという2つのプロジェクトの実例を使って、相互に利益を得ることになった例を紹介します。2つの例はどちらもオープンソースですが、これらのケースの多くはどのようなソフトウェアのケースにも当てはまります。セッションを通して、自分が何に取り組んでいるのか、また、自分が消費しているオープンソースと重複していないかを考えてみてください。もしかしたら、このセッションを終えたときには、お返しをするだけでなく、同時にコラボレーションのスキルを向上させる方法を知ることができるかもしれません。
Adrian Cole
Adrianは10年以上にわたってオープンソースの日常的なコントリビューターです。彼はいくつかのプロジェクト、特に jclouds と feign を立ち上げました。現在、彼はボランティア主導の分散トレースプロジェクトである Zipkin に多くの時間を費やしています。
Mixトラック
13:50-14:30 Cofacts、LINEと連携した事実確認システム
CofactsはLINEを利用しクラウドソーシングで事実確認をするためのシステムです。主に台湾のユーザーにサービスを提供しており、タイの一部のユーザーには派生したプロジェクトとして提供しています。LINEは台湾で最も人気のあるメッセージングアプリで、個人・ビジネス問わず広く利用されています。しかし、検証されていない情報は、LINEを介してみるみるうちに拡散される可能性があります。Cofacts のユーザーはLINEのチャットボットを通じてCofactsシステムにメッセージを送ると、編集者からファクトチェックの結果が送られてきます。チャットボットでユーザーと対話し、事実確認システムでインスタントクエリに返信することでユーザーの誤報拡散を減らすことができます。Cofactsは、未検証メッセージのデータセット、ファクトチェックレポート、ソースコードを含めて完全にオープンです。2016年末に設立され、LINEプラットフォーム上で異なる技術要素を組み合わせています。このセッションでは、私たちがどのようにしてLINEのプラットフォームを利用しCofactsを構築したのかを共有します。
KuanHung Kuo (ggm)
Cofacts.org & g0v.tw
KuanHung Kuoは、LINE API expert、g0vメンバー、フルスタックエンジニア、スタートアップ共同創業者です。10年近くCo-founderとしてスタートアップで活動しており、市民運動に参加したり、シビックテックプロジェクトを開発したりしてきました。技術力ではバックエンドやアルゴリズム設計を得意とし、ACM-ICPCメダリスト。
Mixトラック
15:50-16:30 ゆがまないサービス設計をするには
サービスの運営は、“ゆがみ”との戦いです。 ユーザーが増え時間が経つほど、サービスは当初の理想や意図を離れてゆがみがちになります。 本セッションでは、「サービスはなぜ・どのようにゆがんでしまうのか」、「初心を忘れずにグロースさせるにはどうすればよいのか」、その仕組みを解説し、持続可能性のあるゆがまないサービスをつくるための考え方を共有します。
深津 貴之
THE GUILD / 代表取締役
インタラクションデザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHE GUILDを設立。メディアプラットフォームnoteを運営する株式会社noteのCXOなどを務める。執筆、講演などでも精力的に活動。
Mixトラック
16:50-17:30 プロダクトマネージャーを最大限に活かすために
「プロダクトのCEO」「プロダクトオーナー」「ビジネスサイド」このような用語では、プロダクトマネージャーとエンジニアの溝は深まるばかりです。分野を越えてチームが一体となり協働してこそ、素晴らしいプロダクトが生まれます。それには、プロダクトマネージャーとエンジニアが相互にバランスを保つことが重要になります。しかし、多くの現場では「私たちvs 彼ら」という図式となり、信頼の欠如が協働を妨げ、各チームがベストの状態で稼働することができなくなっています。このセッションでは、プロダクトマネージャーについてのよくある誤解に触れ、プロダクトマネージャーとエンジニアが「ユーザーに愛されるプロダクトを作る」という共通のゴールに向けてより良く協力できる方法を話します。
Emily Tate
Mind the Product / Chief of Staff
プロダクトに関わる人のための世界最大コミュニティ「Mind the Product」のChief of Staff。Pivotal Labsのコンサルタント、旅行業界のPM等、プロダクトリーダーシップ業務を10年以上歴任。プロダクトやリーダーシップのスキルアップサポート、また愛されるプロダクトの作り方についてのトークを精力的に行なう。「プロダクトマネジメントに影響を与えた女性 52人」の一人。
以上、20名のゲスト登壇者およびセッションを紹介しました。ぜひ、参加するセッション選びの参考にしてください。 皆さまのご登録&ご参加をお待ちしています! 公式Webサイト:https://linedevday.linecorp.com/2020/ja/