LINEにおけるお金とユーザーのジレンマ – pmconf –

みなさんこんにちは。LINE執行役員、企画センター ビジネスプラットフォーム企画室 室長の二木です。
昨年11月に開催されたプロダクトマネージャーカンファレンスにて「LINEにおけるお金とユーザーのジレンマ」をテーマに登壇させていただきました。
本記事では当日お話しした内容を中心に時間内で伝えきれなかった詳細についてお伝えしたいと思います。

 


テーマ設定の背景

なので今回の登壇では、LINEにおけるプロダクトマネージャー(以下PM)をスキル面で分解しつつも、その奥にある最も大切な役割と私自身も日々悪戦苦闘しているPMのジレンマをテーマにお話させていただきました。

登壇資料

日本でもプロダクトマネージャーという言葉が徐々に浸透し始め、言語化されてきています。いい流れではある一方でスキル偏重になってきているとも感じています。




LINEのPMって?

みんなPMの役割について1度は悩んでいる

多くの人がプロダクトマネージャーの役職について悩んだことがあると思いますが、私の組織内でも約7割の人が1度はPMの役割について悩んでいるとアンケートで回答しました。

その背景にはPMはまるで << カメレオン>>のように、プロジェクトのフェーズや事業のフェーズに応じて人格や求められるスキルが変化する特性が起因しています。
特にLINEでは明確にプロダクトマネジャーとプロジェクトマネジャーのロールを分けていないプロダクトも多いです。





プロジェクト立ち上げフェーズでは「ビジョナリスト」や「ビジネスアナリスト」のような発散的人格とwhy系スキルが求められるのに対し、プロジェクト中盤〜終盤フェーズでは「スペックライター」や「プロジェクトマネジメント」のような収束的人格とwhat/how系スキルが求められます。またリリース後にはマーケター要素も踏まえながら、プロダクトを伸ばすためのビジネスアナリストの人格も必要です。

さらにはプロダクトの成熟度によってもPMの役割の重心は変わってきます。 小規模なプロダクトでは全方位的かつビジネス寄りのスキルが求められたり、成熟したプロダクトでは役割が細分化されて、グロース担当やプロジェクトマネジメント担当というようにPMの中でも役割が細分化されたりするケースが社内ではあります。





この状況を俯瞰してみれていないと、プロジェクト中にふと「あれ、私って何屋さんだっけ?」「PMってどういう役割だっけ?」という状態に陥りがちです。



PMに求めるスキルは複雑だが求めるミッションはとてもシンプル

このようにPMに必要な役割やスキルを分解すると非常に複雑に見えます。

ただし上記の人格論やスキル論はあくまで、プロダクトの成功確率を上げるために体系化したもので、全てできる人の担当プロダクトが必ず成功するわけでもありません。 

本当に求められる役割は、名前の通り「担当プロダクトをマネージ(なんとかして成功させる)する人」というのが一番シンプルな解でしょう。 





自身のプロダクトを成功に導く、そしてそのために付随する活動全般が全てPMの役割です。
それ故に、PMの役割は「mini CEO」というかっこいい表現で表されたり「グレーゾーンを埋める人」という泥臭い表現がされがちです。

どんな登り方であれ、最終的にプロダクトを成功させるマインドのある人が真のPMだと思います。



どんな人が活躍打率が高いか

カンファレンスでは以下3点でまとめました

1.自分に足りない部分を補完できるようなチームが作れる人
2.ソトとウチの妄想力が高い人
3.Detailまで突き詰められる人









そして今回せっかくなのでもう一つ紹介したいのは”こぼれ球を拾う捕球力が高い人“がLINEでは活躍する傾向にあります。





変に自分の枠組みを決めず、ビジネスだろうが開発だろうが顔を突っ込む人、浮き球になってるイシューを拾う人。 
私の周りのすごいなーと思う人はもれなく、業職種問わずあらゆるスレッドに登場しプロダクトに必要なパーツを組み合わせながら前進させられている人です。

結果的にそういう人は、ビジネスだろうが開発だろうが全方位的にリテラシーも上がっていき、プロダクトの成功確率が上がっていくのだと思います。



PMの前に立ちはだかる多くのジレンマ

ここまではPMの定義や活躍像についてお話してきましたが、そんなPMの悩みの一つについてお話したいと思います。

プロダクトのローンチまで、PM1人で完結することはLINEにおいてはありません。
自分の企画を推し進めるにあたって必ず多くのジレンマにぶち当たります。





企画からデザインに進んだ際、デザイナーと開発者で意見が分かれることもあるでしょう。
営業担当者が、「これが絶対売れるから作って欲しい」と言っても、自分は納得していなかったり、デザイナーは作りたいくないということもあるでしょう。

その時のPMの振る舞いは非常に重要になります。



ジレンマに敗北したプロダクトはどうなってしまうか

私の担当プロダクトだと「お金を稼ぎたい」でも「ユーザーを大切にしたい」のジレンマの間で多くの意思決定をしています。
しかし、難しいからと言ってPMが機能していないと、ジレンマによるPMの無能化によって、妥協の産物が生まれます。





 誰のためのプロダクトなのか、今一度考えましょう。そして、改めてPMの価値について確認してみましょう。





PMほど複合的な情報を持っている役職は基本的にはありません。(ないなら収集するべき)
なのでPMに決定責任が伴うケースが多いです。

PMが意思を持って決めてプロジェクトをリードしていかないと、プロジェクトが進んでステークホルダーが増えるにつれ違和感が伝播し、
どこかでプロジェクトが破綻するか、よいプロダクトが生まれる確率がガクっと下がります。



解決できないジレンマはない

ニュートンの言葉に「何らかの不調和(ジレンマ)が存在する場合、それは我々の認識のどこかが間違っている可能性を示唆している」とあります。
ジレンマは表面的には対立項でも、Whyを二回繰り返すと基本的に同じ目的に行き着きます。実はみんな同じ方向を向いているのです。





PMとしてこの前提条件を認識しておくのは非常に重要だと思います。

我々が考えるべきは「世の中のなにをよくしたいのか」「世界のどのプレーヤーと戦っているのか」であって、社内のステークホルダーのベクトルがちぐはぐになっている場合ではありません。
大きな視点に立てば、同じ会社の仲間はみな同じベクトルを向いているはずです。

そのベクトルを揃えるのがプロダクトのビジョンやミッションであり。PMは逐次言語化しながら周囲を共闘関係にもっていくことが重要です。 

ビジョンやミッションというと大層なものに聞こえますがその大小は関係ありません。
個人それぞれが担当している機能や画面それぞれで言語化してあげることが重要です。 



ジレンマを解消する作業は最もクリエイティブ

ジレンマを解消する作業は一見すると「調整」や「仲介」と表現されがちですが、実は最もクリエイティブな作業工程です。

もちろん他人の発言を伝書鳩のようにパスするだけでは、なんのクリエイティブもありません。

たいていの人が諦めがちなジレンマであるからこそ、どうやったら解決できるのか、本当にどちらかなのか、両取りはできないのか。
その解決策を考える作業は最もクリエイティブな工程であり、そこから生まれたプロダクトは芯のあるものになります。

それが結果的に「競合との差別化」やプロダクトの「コアコンピタンス」と呼ばれる部分になっていきます。





最後に

ちなみに私も毎日多くのジレンマに向き合っています。勝率にすれば良くて3勝2敗から2勝3敗といったところでしょうか。笑






“全勝できることはない、偉い人が答えが正解なんてことはほとんどない。
自分の担当領域は自分とそのプロダクトチームが一番詳しいんだから、そのチームで失敗したらなら仕方ない。向き合い続けることが大切。”

それくらいのメンタリティで挑戦し続けることが大切だし、会社がチームを信頼することが大切だと思います。 

LINEのプロダクトマネージャーで働くことに興味がある方は、以下から是非ご応募ください。

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