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LINE Thingsハッカソン@大阪レポート

 

こんにちは。LINEでテクニカルエバンジェリストとしてLINEのAPIを利用したデベロッパーのビジネスの成功をお手伝いさせていただいている立花です。

昨年のLINE DEVELOPER DAY 2018でもご紹介させていただいたLINE Thingsのハンズオン&ハッカソンを大阪にて開催いたしましたのでレポートをお届けします。

LINE Thingsとは

LINE Thingsで出来ること

LINE Thingsとは、Bluetooth LEに対応したIoTデバイスをLINEのアプリ上で接続しBotやWebサービスと連携することができるプラットフォームです。大きく以下の3つのことが出来ます。

  • LINEアプリ上でBluetooth LE接続可能なLINE Things対応デバイスを登録する
  • LIFF上からJavaScript APIを経由してLINE Things対応デバイスを操作する
  • LINEアプリがデバイスに対して自動で通信を行い、対象のBotに情報を送信する(今後対応予定)

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

LINE Thingsの強み

LINE Thingsの強みとしては、以下のような点があると考えております。

  • LINEという、多数のユーザーに日常的に利用されているプラットフォーム上でIoTデバイスと連携したサービスを提供することが出来る
    • 新規ユーザー獲得のコストが下がる
    • 過去にターゲットにならなかった層へのサービス提供が可能
  • LINE BotLIFF、LINE Beacon、LINE Pay等の豊富なAPIとの連携が簡単
    • 開発コストが下がる
    • Botを経由することでユーザーへの通知を届けやすい
    • ユーザーにとって分かりやすいインターフェースのサービスが実現可能

LINE Thingsハンズオン@大阪

通常ハッカソンは参加者の方の負担を考え2日間で行われるケースが多いのですが、LINE Thingsは公開されたばかりのプラットフォームであるということもあり、予め半日ハンズオンを開催してから2日間のハッカソンを開催することになりました。ハンズオンの会場はサイボウズ様にお借りしました。なお運営はハンズオン、ハッカソンともいつもお世話になっているCode for OSAKAさんです。

土曜日の午後に参加者の方にお集まり頂きLINE Thingsの概要の説明をした後、ハンズオンで開発手法を一通り体験、事例や強み、今後の予定等についてご説明させていただきました。LINEからは4名のエンジニアが講師&サポートとして参加いたしました。

懇親会でも多くのご意見やご質問を頂き、LINE Thingsへの期待が高まったことを実感いたしました。

LINE Thingsハッカソン@大阪

1日目

ハンズオンから1ヶ月。いよいよハッカソンです。会場はさくらインターネット様です。ほとんどの方はハンズオンにもお越し頂いた方ですので、LINE Thingsの説明は省略することが出来ました。最初に各スポンサー企業の皆様から提供技術についてのインプットタイムを設けました。

LINEからはLINE Thingsの開発に関わっているエンジニア3名と私が2日間サポートを行います。

インプットタイムの後はアイデアソン、チームビルディングと続き、各チーム作るものが決まりました。

何と今回は共立電子産業様から一人3千円分のチケットが配布されましたので、各チーム必要なパーツ等をシリコンハウスデジットへ買い物に向かいます。皆様買い物を楽しんでおられたようですね。

18時で中間報告を行い、一日目は終了です。

2日目

2日目。各チームもくもくと開発です。LINEのエンジニアやスポンサーの皆様のサポートを受けながらどんどんとサービスが出来ていきます。

完成した作品

開発タイム終了です。6作品がプレゼンテーションに挑みます。

みんなで早押しクイズが出来るデバイス

LINEアプリだけでその場にいる人達とボタンを使った早押しクイズが楽しめるサービスです。問題の作成もLIFFで行い、端末と接続すればすぐにみんなで早押しクイズを楽しむことが出来ます。イベント等で大活躍しそうですね。

入力デバイスと連携したゲームやおもちゃも増えてきていますので、今後はLINEとも連携できるようなサービスが登場してくれるとうれしいですね。

CtoC、BtoCで物の貸し借りが出来るロッカー

結婚式のネクタイ、数珠など使う機会は少なくても必ず必要なものや、充電ケーブルや電子タバコの充電器等の忘れがちなものをシェアできるロッカーです。

ロッカーの中にはLINE Things対応デバイスが内蔵されており、LINEアプリを利用して解錠しアイテムを預けることが可能です。借りたい方はアイテムを選択しLINE Payで決済を行うことで鍵を開けることが可能になります。

また防犯機能も備わっており、勝手に持ち出そうとするとパトランプが光り、同時に管理者にTwilioを利用して通報してくれます。BtoC領域での展開も計画されています。

鍵の状態を監視してくれるサービス

寝る前に心配な戸締まりを、ドアや窓まで行かなくてもLINEアプリから確認できるサービスです。メイドさんも登場するようで、コミュニケーションを行う部分はLINE Botで実装されていました。

LINE Things対応デバイスとのペアリングには友だち追加が必要ですので、サービス利用と同時にユーザーとのコミュニケーションチャネルも持つことが可能です。

講義やイベントへの出席者を管理出来るデバイス

講義やイベントの際、管理者から各セッションの出席者の情報を確認したり、グループ分けや席決めを行いたいような場合に利用するサービスです。

参加者はデバイスに紐付いたLIFFを開くことでセッションに参加していることを登録し、管理者は出席者一覧をデバイスに接続されたプリンタから出力したり、参加者のLINEアカウントに向けてグループ分けの結果を通知することが出来ます。

LINEは各ユーザーがIDを持っていますので、ログインが必要になるようなサービスとは非常に相性が良いです。

ARグラスと連携し、モノに神を宿すサービス

だんグラを利用して楽しめるARゲームと連携するサービスです。ARの世界とリアルでデバイスにつながったパトランプやLEDのコラボレーションは面白い着想ですね。

ClovaのスキルやLIFFを組み合わせた新しいエンターテイメントの登場が待ち遠しいです。

電車内におけるトラブルの通報やエアコンの温度の調整リクエストが可能なデバイス

電車内にデバイスを設置し、乗客からの通報(異臭/迷惑行為等)を検知しブザーを鳴らしたり、エアコンの温度を調整したりすることができるサービスです。Bluetooth LEを利用することでその場にいる人しかサービスにアクセス出来なくするような事も実現できます。

LINE Beaconと違いLINEアプリからデバイスへの書き込みが可能な点を活かしてサービスを開発されたチームが多く、感銘を受けました。

懇親会

各チーム発表の後は懇親会です。お酒を飲みながらフィードバックや今回開発されたサービスの今後についてのご相談を頂くなどして、大変盛り上がりました。

優勝チーム

審査の上でLINE賞とさせて頂いたのは「CtoC、BtoCで物の貸し借りができるロッカー」です!ビジョンが素晴らしく多くの方に喜ばれそうなサービスであること、LINE Payを利用したマネタイズまで考えられていたこと、そしてハード・ソフト共にしっかりと動く状態まで開発をして頂いたことが高評価に繋がりました。

デモ動画は、下記をご確認ください。 

プレゼンテーションも公開されています。

副賞としてClova Friendsと、LINE Things開発ボードがプレゼントされました。スポンサー様からもどんどんスポンサー賞受賞チームの表彰と副賞の提供が行われ、大いに盛り上がりました。

まとめ

IoTに絞ったハッカソンを2日でというのはあまり前例が無く、どこまで作ることができるのか心配でしたが多くのチームがLINE Thingsの特性と使い所を理解し、相性の良いサービスを開発して下さいました。クラウドファンディングで資金を獲得しているIoTサービスも出てきていますし、大阪にはIoT向けのアクセラレーションプログラムAIDORもありますので、是非ブラッシュアップの上実際のサービス開始を目指して頂けますと幸いです。何かあればお気軽にご連絡下さい。

今後もLINE Thingsのハンズオンやハッカソンを企画しておりますので、ご興味のある方は是非Twitterをフォローしておいて下さい。

参考