LINE Developer Meetup #32 参加レポート

はじめまして。LINE FukuokaでVerdaという弊社プライベート・クラウドのサービス開発をしている藤嶋です。4月24日(火)にLINE Developer Meetup #32が開催されました。今回のブログ記事ではイベントの様子や各セッションの内容をご紹介いたします。

今回のミートアップのテーマは「インフラ」でした。Amazon Web ServiesやGoogle Compute Engineを代表するパブリック・クラウドが普及した現代において、「インフラ」は過去の定義を大きく超える範囲を含むことがあります。今回のテーマはそういった事情を反映したかのように、非常に幅広い話題を含むものとなりました。登壇者は弊社エンジニアだけではなく、GMOペパボの高石様とさくらインターネットの鷲北様にもご登壇頂きました。また、今回も引き続き、多くの方にご参加いただきました。当日は雨が降っておりましたが、欠席は非常に少なく、参加者の関心の高さが伺えるものでした。ご参加いただきました皆様にこの場を借りて感謝を申し上げます。


ミートアップは恒例のHappy Hourから始まりました。これは最初に飲み物を片手に弊社エンジニアや他の参加者と交流していただき、リラックスしてイベントに臨んでいただくためのものです。参加者が増えていくにつれ、会場が徐々に盛り上がっていく様子が感じられ、この後の各セッションに対する期待も同様に高まっていきました。

Happy Hourが終わり、セッションに入る前に、弊社の和田から開演の挨拶をさせていただきました。挨拶では、最近の福岡のIT業界に触れて、各企業が福岡に熱い視線を送っており実際に有名IT企業が福岡に拠点を置き始めている実例を紹介しました。

OpenStack Networking Challenge / LINE 西脇

ここからセッション本編の紹介をいたします。
最初に弊社エンジニアである西脇(Twitterアカウント @ukinau)から発表させていただきました。西脇は弊社のプライベート・クラウドであるVerdaの根幹となるネットワークをOpenStackを利用して開発しています。Verdaに関しては以下のリンクをご覧ください。

LINE Engineer Insights vol.4「OpenStackベースのPrivate cloud “Verda” の野望」
Verda Cloud Family

OpenStackはクラウド・インフラストラクチャを構築するために必要な機能を提供するためのソフトウェア群です。弊社ではOpenStackをエンドユーザ(オペレーター)として利用しているだけでなく、すでに最新版で適用されているバグの修正パッチの適用はもちろんのこと、運用上浮き彫りになったOpenStackの課題の改善、既存の社内システムとの連携させるための仕組みづくりに取り組んでおります。そのため実は、我々のプライベート・クラウドの運用開発のチームでは、運用業務以外にもOpenStackのソースコードを読み、変更を加える機会が非常に多いです。今回のセッションでは、西脇を始めとするLINEのVerdaチームがどのような問題意識でネットワーク開発を行ってきたかを紹介しました。LINEのサービスがインフラストラクチャに要求する水準は非常に高く、難易度も高いです。ネットワークはあらゆるWebサービスにおいて文字通りの生命線となります。このような状況を背景にして、今回Verdaチームは大阪リージョンの開設に取り組みました。以下のスライドでは、大阪リージョンの開設にあたり、過去に経験した課題と、そこから得た教訓を基に、彼らがどのような挑戦を行ったのかをご覧ください。

LINEʼs OpenStack Networking Challenge

なお、この発表をさらに充実させて、5月下旬にカナダのバンクーバーで開催されるOpenStack Summitで弊社の西脇とSamirがプレゼンテーションを行います。もし機会がありましたら、ぜひともご参加いただければと思います。
Excitingly simple multi-path OpenStack networking: LAG-less, L2-less, yet fully redundant

追記: 西脇とSamirのプレゼンテーション動画が公開されましたので是非ご覧ください

こんなこともあろうかと、サーバーは予め増やしておいた 〜アクセス頻度予測を用いてサーバーを自動増減する「計画的スケーリング」のその後〜 / GMOペパボ 高石様

次はGMOペパボの高石様(Twitterアカウント @r_takaishi)から、サーバーのスケーリングに関する発表をしていただきました。IaaS利用者にとっては当たり前の機能のように見られているサーバーのスケーリングですが、実際にどのように実現しているのかという話題はインフラエンジニアだけでなく、SREを実践しているソフトウェアエンジニアにとっても非常に気になる話題だったのではないでしょうか。

サーバーのスケーリングを自動的に行う場合、様々な判断基準や閾値が考えられます。例えば、テレビCMの放映やソーシャルメディア上での言及数といった、システムから見た外的な要因と、システムの負荷状況といった内的な要因です。高石様の取り組みではアクセス頻度予測を用いたキャパシティプランニングを行うことで必要な台数を設定し、サーバーをスケーリングしていくものです。具体的な内容はスライドを参照してください。本セッションで特筆すべき点はペパボ研究所との連携です。単なる1部署としての取り組みではなく、組織間で有機的に連携して取り組む姿勢からGMOペパボ様の企業文化が垣間見えました。当然ながら、姿勢だけでなくスケーリングのアーキテクチャも注目すべき点が多々あります。言及していた課題であるスケールアウトの速度の問題は非常に難しいですが、刺激的な問題です。気になる方はスライドをご覧ください。

あんまり知られていないInfiniBandの話 / さくらインターネット 鷲北様

最後に、さくらインターネットの鷲北様(Twitterアカウント @ken_washikita)から、InfiniBandについて紹介していただきました。

鷲北様の所属するさくらインターネット研究所ではInfiniBandに関する取り組みを通じて得た知見が豊富で、その知見の一端が紹介されました。InfiniBandは、非常に簡単に言うと、通信技術の1つです。HPC(high-performance computing)や映像処理の分野でよく利用されており、クラスタのノード間を接続するネットワーク基盤のインターコネクトとして利用されていることが多いです。InfiniBandは広帯域・低レイテンシ・低価格という特長を備えていますが、一方で同じ通信技術の1つであるEthernetに比べてあまり知られていません。本セッションでは鷲北様がInfiniBandをわかりやすくレクチャーしてくださいました。もしInfiniBandについてご存じない方は是非スライドをご覧ください。

懇親会

セッション終了後はこれまた恒例の懇親会です。ご存知の通り、福岡はラーメンだけでなく海産物もとても美味しい土地です。お寿司もまた例外ではありません。各参加者にお寿司を堪能していただけたのではないかと思います。もちろんお寿司だけではありません。懇親会ではあちらこちらで幅広い技術談義が行われていました。登壇者を囲んで質問攻めをしている人もいれば、登壇者自らが自身の発表の補足を行ったりしていました。また、弊社のある参加者によると、インフラの話題だけではなく、JavaやScalaのプログラミングに関する話題にまで話が広がったようで、テーマに縛られない活発な会話が繰り広げられていたようです。

近年、インフラストラクチャは必ずしも物理的な装置だけで作られているわけではありません。ソフトウェアによるエンジニアリングが占める割合が急速に増えています。弊社のプライベート・クラウドであるVerdaも例外ではありません。また、OpenStackだけで構成されているわけではなく、内製開発しているサービスやAPI、OpenStackではないF/OSSを利用したクラウド・コンポーネントの開発も非常に活発に行われています。低レイヤのインフラストラクチャ開発はもちろんのこと、ソフトウェアでインフラストラクチャを開発することにも興味がある方は是非以下のリンクから弊社にコンタクトしてください。国内の全拠点(東京・京都・福岡)で募集しています。

・東京
 ・インフラ開発エンジニア(ネットワーク)【全事業対象】
 ・インフラ開発エンジニア(インフラプラットフォーム)【全事業対象】
 ・インフラ開発エンジニア(QA)【全事業対象】
 ・インフラ開発エンジニア(フロントエンド担当)【全事業対象】
・京都
 ・インフラ開発エンジニア(ネットワーク)【全事業対象】【京都オフィス】
 ・インフラ開発エンジニア(インフラプラットフォーム)【全事業対象】【京都オフィス】
・福岡
 ・インフラ開発エンジニア(ネットワーク)【全事業対象】【福岡】
 ・インフラ開発エンジニア(インフラプラットフォーム)【全事業対象】【福岡】