LINE Corporation 於2023年10月1日成爲 LY Corporation。LY Corporation 的新部落格在這裏。LY Corporation Tech Blog

LINEのグローバルなデータ戦略を推進する組織とは?CDOウルゲン・フィゲンの語るその魅力とカルチャー

LINEで働くエンジニアに色々と話を聞いていく「LINE Engineer Insights」。LINEの技術組織で働く個々人に、何を重視して技術者としてのキャリアを歩んでいるのか、今LINEで何に取り組んでいるのか、今後実現していきたいことなどを聞いていきます。 

今回インタビューするのは、LINEの執行役員であり、CDO(Chief Data Officer - Global Offices) を務めているウルゲン・フィゲン(Figen Ulgen)。LINEの横断的なデータ戦略の策定や、データの民主化を実現するための様々な取り組みを推進しています。その主体組織であるCDO室について、組織の役割やカルチャー、現在抱えている課題、活躍できる人材などについて話を聞きました。

面接ですぐに感じることができた仲間意識。その認識は正しかった

ーーまずは、ウルゲンさんのこれまでの経歴を教えていただけますか?どのようにテクノロジーの世界に足を踏みれたのでしょうか?

私は小さな頃からずっと「難しそうなことに挑戦してみたい」と思っていました。ほら、子どもってみんな大きな夢を持っているでしょう? 私も例に漏れず5歳の頃は、オリンピックの水泳選手になったり、宇宙を旅行したり、バイクに乗りたいと願っていました。

当時、コンピュータやエンジニアリングに関連するものはすべて、世界で最も難しそうなものに感じられました。それで高校卒業時に、専攻にコンピュータエンジニアリングを選択しました。大学では、人工知能が多くの研究者が取り組んでいる最も難しいものに思えたので、奨学生として修士号をアメリカで取得した後、人工知能に関する博士号を日本で取得しました。

その後シリコンバレーで、人工知能を用いた手書き文字認識と音声認識に取り組みました。そこでは、ビジネスや市場の状況がテクノロジーの導入に影響を与えることが分かり、私にとって素晴らしい経験となりました。そこでビジネスについてさらに学ぶために、McKinsey & Companyに入社しました。さまざまな業界に触れるとともに、健全なビジネス上の意思決定を行う方法も学びました。でも心の中では常にテクノロジーが重要だと考えていたので、技術的な分野に戻って、MicrosoftやIntelなどのテクノロジー企業で長年働きました。 

ーーウルゲンさんがLINEで働こうと思ったきっかけを教えてください。入社前・面接での印象はどのようなものでしたか?

採用担当者からLINEを紹介してもらい、まずは興味本位で話を聞いてみました。当時、他の会社からもアプローチ頂いていたのですが、LINEで働くことを決めた最大の理由は、面接ですぐにLINEの文化を感じることできたからです。

何度か面接の機会がありましたが、話すたびに元気をもらいました。面接官の方は、私のことを知ろうとして真剣に質問をしてくれました。過去には他企業の面接で、彼らがいかに頭が良いかを示すために質問されているような経験もあったのですが、LINEの面接はその逆でした。面接前に、面接官の名前をインターネットで検索すると、非常に深い技術情報を発見することができましたが、面接は技術テストではなく、ブレインストーミングのような形式でした。私はすぐに仲間意識を感じ、LINEでは優れた人たちと一緒に困難な問題を解決できる環境で働けることが分かりました。嬉しいことに、私の最初の認識は正しかったと今でははっきりと言えます。

単一・恒久的な解決策は存在しない。変化や不確実性に抵抗がない人には最適な仕事

ーーCDO室とはどういった部門なのでしょうか?その役割について教えてください。

CDO室は、データに関する取り組みをより体系的に行う必要性から生まれた、比較的新しい組織です。

LINEには非常に強力なエンジニアリングの文化があり、データの民主化を可能にするビッグデータのインフラやツールを、優れたメンバーが黙々と構築してきました。データの民主化とは、データを利用するビジネス上の目的を持つ人々が、必要なデータに安全にアクセスでき、利用可能なようにすることを意味します。すでに構築されたインフラやツールの上に私たちに必要だったのは、コミュニケーションや調整チャネル、共通のプロセス、データに関する意思決定の合理化でした。

私は自分の組織について他の人に説明するとき、よく空港に例えます。空港には、飛行機を作る人(サービスプランナー、エンジニアなど)と、新しい目的地に向かおうとする人(マーケティング、セールスチームなど)がいますよね。CDO室は、いわば空港の管制塔のような存在です。データがどこから来て、どこへ向かい、どう活用されているのかに着目しながら、飛行機や滑走路がベストコンディションであることを確認しています。

私たちは、データインフラの構築だけでなく、データの活用と共有に関するすべての取り組みを調整する組織です。しかし、その仕組み作りだけがすべてではありません。データとその分析が具体的なビジネスインパクトをもたらす機会を創出することで、私たちはデータ戦略において重要な役割を担っています。私たちは、CDO組織に所属しているデータサイエンティストやデータエンジニアと密接に連携し、機械学習によってデータからビジネス価値を引き出しています。

ーーLINEのデータに関する取り組みに関して、優れている点はありますか?

LINEは決してバズワードになるような技術だけを追う会社ではありません。最先端のテクノロジーを、誇示することなく真面目に追求している会社です。

私たちのビジネスの要求に応えるためには、常にイノベーティブであり続ける必要があるため、テクノロジーパートナーともそのような取り組みを行なっていることが印象的です。例えば、Clouderaがサポートするビッグデータ基盤において協業していたとき、私たちは巨大なデータテーブルにはより柔軟で高性能なフォーマットが必要だと考え、Icebergの採用を決定し彼らにサポートをお願いしました。同様にオンプレミス環境に移行する際も、標準的な移行プロセスではダウンタイムが発生する可能性があったため、彼らと緊密に連携してカスタマイズした移行方法を考案する必要がありました。

LINEで働くということは、クライアントにより良いサービスを提供するために、制限された境界線を受け入れることではなく、より迅速に、よりスムーズに物事を行うために自分自身に挑戦することなのです。

ーー現時点で解決すべきデータ関連の課題があれば教えてください。

私が現在課題だと認識しているのは、LINEが事業を展開している複数の国において、データに関するさまざまなルールや規制にどのように対処していくのか、また、そういったルールを遵守する必要性と、クライアントやビジネスに貢献するために迅速に対応していく必要性とのバランスをどのようにとるのか、という点です。

これはテクノロジーにとどまらず、異なる文化や働き方、市場のニーズを理解することも含まれます。またご存知のように、広告技術も変化します。つまり、多くの変数が含まれる複雑な方程式が存在するのです。

ここで理解しておくべき重要なことは、単一の解決策、恒久的な解決策は存在しないということです。私たちにはロードマップやビジョンはあるものの、ルールや規制、市場のニーズ、テクノロジーなど、私たちを取り巻く環境は常に変化し続けているため、常に現状を把握し、適応し続ける必要があります。

データに関わる限り、企業における業務のあり方に大きな影響を与えることができるため、変化や不確実性に抵抗がない人には最適な仕事です。

LINEで活躍できるのは学びと挑戦に情熱を注げる人たち   

ーーLINEでは、現状どのようなデータ関連の仕事に関わることが可能でしょうか?

先ほども申し上げたように、LINEは自分たちの技術を成長させており、世の中で普及している技術の限界に挑んでいます。そのため、データ分野でのキャリアチャンスは多岐にわたりますが、私がすぐに思いつくのは以下のようなものです。

  • インフラを設計・構築する
  • データの使い方を想像してスマートなインターフェースを構築する
  • データを分析してインサイトを得る
  • データの使い方を把握し、ユーザーのデータを安全かつ確実に保護する
  • インフラやツールをテストする
  • データの活用方法を考えるためにさまざまなチームにインタビューして調整する
  • データガバナンスのプロセスを構築する
  • これらのプロセスを運用面で効率化する
  • データ活用についての知識を深めるために複数の国のデータエンジニア・データサイエンティストと協力する

と、リストは非常に長くなります。

何よりもまず私が期待するのは、考え方が柔軟で、より良いものを学んで挑戦することに情熱を注げる人です。フィードバックを受けて自分の行動を改善することができ、自分の考えをオープンに共有することで、他人の改善に挑戦できる人は、LINEのカルチャーではきっと活躍できるでしょう。

ーー最後に、これからLINEに入社するエンジニアの方に向けてメッセージはありますか?

私はこれまでグローバルに働いてきたので、LINEと業界のリーディングカンパニーを比較することができます。その上で、LINEのカルチャーをとても楽しんでいると正直に言えます。

LINEのデータ関連のキャリアを考えている人へのメッセージとしては、自分のキャリアの可能性だけでなく、日々どのような環境で働きたいかを、本当に考えて頂きたいですね。もしあなたが、自分の成長のためにチャレンジする賢明なエンジニアたちと、尊敬の念を持って接しながら仕事したいと思っているのであれば、LINEがまさにその会社だと思います。

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