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LINEの会計システムに関連する開発業務をしているチームを紹介します

LINEの開発組織のそれぞれの部門やプロジェクトについて、その役割や体制、技術スタック、今後の課題やロードマップなどを具体的に紹介していく「Team & Project」シリーズ。今回は、LINEの会計システムに関連する開発業務をしているチームを紹介します

財務情報室の室長である呉世鎮(オ・セジン)、 会計システム企画運営チームのマネージャー瀧澤智大、 精算プラットフォームチームのマネージャーである藤田摂に話を聞きました。

(左から)藤田さん、呉さん、瀧澤さん
(左から)藤田さん、呉さん、瀧澤さん

―― 皆さんの自己紹介をお願いします

呉:2012年に入社したタイミングで日本に来ました。入社以来ずっと社内情報システムを担当としていて、企業に必要な情報管理とそのための様々なシステム構築を経験してきました。
現在はLINEグループの会計システムとビリング精算システムを管理する財務情報室で室長として勤めています。会社としても重要な仕事を続けているという実感があり、こんなに長く日本にいることになるとは思いませんでした。

瀧澤:2016年に入社し、会計システム企画・運営チームのマネージャーを担当しています。
私のチームはLINEグループで使う会計システムやそれに関係するシステムを企画・運営して、経理部門や事業部、経営陣の課題を解決をサポートしていく社内システムチームです。

藤田:LINEに入社する前は大学の研究支援をおこなったり、音楽配信を行う会社で権利処理システムを開発していました。その後、2015年からLINEに入社して会計に関連する業務システムを開発していて、今は精算プラットフォームチームでマネージャをしています。B2Cサービスにおける売上・費用の計上を行う社内システムをリプレースするために作ったチームです。

―― みなさんがLINEに入った理由を教えてください

呉: 親会社だったNAVERの情報戦略チームで、情報管理および関連システムの政策企画を担当していました。

スマートフォンの普及が広がっている時期で、グローバルで成長中だったLINEサービスも支援していました。私もLINEのサービスにもっと貢献したいと考えていたところ、財務システムチームのマネージャーでオファーがあり2012年にNHN Japan(現在のLINE)に異動となりました。

瀧澤: LINEに入社する以前は、SIerやコンサルティング会社でプロジェクトベースのシステム導入・開発に携わっていました。プロジェクトベースの場合、クライアント課題について部分的にしか関わることができず、また、自分で意思決定できる環境や裁量が無かったりで、もっと中長期的な視点で課題解決に取り組みたいと思っていました。ちょうどその時に身近で一番利用しているアプリを運営する会社”LINE”の求人に巡り合えて、仕事内容も希望にマッチしていたため、応募・入社を決めました。LINEの会計システムや業務プロセスがどうなっているのか気になりましたし、変化が多そうな業界・会社で色々と経験・挑戦できると思ったというのが入社の理由です。

藤田: 前職の権利処理システムがある程度落ち着いたタイミングで今後の身の振り方を考えたときに、別の分野ではなく延長領域で何かあるか探していました。その中でLINEは、自社サービス・金回り業務系といった部分は同じで扱っているサービスの幅やデータの量、グローバル展開といった部分で面白そうに感じたのがきっかけです。
以前からLINE Engineering Blogは読んでいて、技術に対する向き合い方は共感できたし、LINEで働いている方に話を聞いてもギャップはそれほど感じませんでした。カジュアル面談を受けた後で、元同僚が在籍しているのを思い出してその足で飲みに行って牡蠣にあたりました。

―― チームにはどういったメンバーがいますか? 

呉: 会計システム企画・運営チームは、元SIerや事業会社のシステム開発をしていた方が多い。精算プラットフォームチームはSIer出身の方が多く、ERPのパッケージベンダーをされていた方やフリーランスを経て入社された方もいます。
最近入社したメンバーに、担当業務や満足度、チームの雰囲気などを簡単にヒアリングしてきたので少し紹介させてください。

Aさん(NEON開発チーム エンジニア)
採用面接のタイミングで「どんなチームでどんな業務をやっているのか」がしっかり説明されるため、入社前とのギャップはなかったです。
「分からないことがあったら聞いてください」とよく言われ、実際に聞くと必要なことがさっと返ってくるため非常に働きやすい環境だと感じます。会社全体としても中途採用の割合が多いため、多くの社員にとって新しい人を受け入れることが当たり前なのだと思います。

Bさん(NEON開発チーム エンジニア)
財務情報室でも開発のニーズが多いので、運用よりも開発の仕事が多いです。業務を進める方法に関しては自由度があるので自分のスタイルでプロジェクトを運用することができます。企画者や他部署とのコミュニケーションではメッセンジャーを活用することでスピード感があり、業務の生産性も満足度も高いです。オフラインで会う機会が少なくなったことには少し寂しさを覚えています。

Cさん(精算企画運営チーム 企画)

ビリングで新規事業の立ち上げに関することから、アプリ内のお金周りの運用まで関わってます。業務内容は多岐にわたっているため非常に勉強になりますし、自分の知見を活かせる最高のポジションであると感じています。 
先輩にわからないことや不安なことがあればすぐに相談しやすい状況があり、働き方の柔軟性も高く、ライフワークバランスが実現できています。毎朝MTGを実施しているので、皆様のキャラクターを早い段階で掴むことができました。

Dさん(財務システム企画運営チーム 企画)
経理業務のプロセス統一を図るプロジェクトで散らばっているプロセスを整理し、一般的なフローに同流させる企画をしています。自分が思い描いたことを進められる裁量があり、他組織やグループ法人の有識者を見つけて相談しに行くことへの壁もないので自分が成長できる良い環境だと思います。
皆さんがプロフェッショナルであり、お互いをリスペクトしている雰囲気なので、ポジティブに働けていると感じています。

―― 皆さんが手掛けているプロジェクトはどんなものですか?概要と独自性などについて教えてください

呉:私からは財務情報室全体の観点でお答えします。私達が手がけているシステムはLINEグループが対象になってまして、機能ごとに対象範囲は違いますが最も大きなものはLINEのグループメンバー全員が使うのでユーザー数としては社内システムながら数万人単位となり大規模です。
元々はグループ会社が作ったシステムがあったのですが親会社が変わったという経緯があり、財務会計システムの開発内製化を進めています。
一般的に財務会計システムは、一社の多様な資源管理と連動して財務報告及び経営管理に必要な情報を生成·管理するシステムであり、企業の維持と存続、そして効率化に重要な役割を果たしますが、自社開発をすることは珍しいです。法的要件を満たしながら自社に最適化されたシステムを作り、業務効率化に貢献できるようになることを目指しています。スタート段階なので実績はまだ多くないのですが、現状のシステムでモジュール開発を開始していて今後はコアの部分の理解と改修・作り直しをしたいと考えています。

瀧澤: 会計システム企画・運営チームでは、決算及び経営管理に関係する業務プロセス、システムのオペレーション改善・効率化を行っています。
業務やシステム処理がブラックボックス化していたり、システム化されていない業務が多く、それらについてあるべき姿を提案して、他のプロセスと統合・全体最適化をしていくところが面白みだと思っています。

藤田:精算プラットフォームチームでは、B2C系200以上のサービスの売上と費用の計上・報告・支払を行うシステムのリプレースを行っています。各種サービスを貫く構造を作りつつも、新たなサービスに対応する拡張性も必要という要件があります。
サービスの中で流通しているアイテムの結果を会計的な数字にしている、例えば「スタンプを買う」を例にすると、売上として各キャリアを経由して売上が入ってきて、クリエイターに分配され、関係会社とレベニューシェアされます。2012年から存在しているシステムで少しずつ増改築しているので相当古く、システムとしてはレガシーです。部分的に置き換えていっているところで、DBの構造そのものを変えるのは難しくアプリケーションをリプレースしているという状況です。DB構造そのものも置き換える予定で進めていて、現代的にちょうどよいサービス・粒度にして分解していく作業をしているところです。
他社と比較すると、インフラまわりの自由度が高いのが特徴的かなと思います。

―― 利用技術・開発環境について教えてください

呉: 財務情報室の中でもチームによって異なりますが以下のようになっています。

  • 全体
    • JavaとSQLは必修科目
    • IntelliJ IDEAとGHE
  •  精算プラットフォームチーム
    LINEのB2Cサービスの決済とアイテム販売を処理するプラットフォームをビリングシステムとして社内へ提供しています。決済とアイテムの販売情報から会計基準に従った売上を計算したり、費用計上や支払処理を会計ソフトのNEONと連携して自動化するなど、財務部署と事業部へ便利な業務機能を提供しています。精算プラットフォームチームでは以下のような環境で開発をしています。
    • Private CloudのうえでSpring Bootのアプリを乗せている
    • MySQL
    • ORMとしてReladomo
    • React
    • Spark
  • 財務システム開発チーム
    • VMの上にSpring BootやLucyのアプリが乗っている構成
    • DBはOracle
    • DBアクセスはMyBatis
  • NEON開発チーム
    企業の経済活動を記録・管理するために一般的にはクラウド系やパッケージ系の会計ソフトを導入するのが多いですが、LINEでは自社で開発した会計ソフト「NEON」を使っています。債権管理、債務管理、総勘定元帳からなる個社決算機能と、制度連結決算機能、管理会計機能があり、自社開発のメリットを活かしてLINEならではの業務最適化をNEONで実現しようとしています。
    NEONは最初のリリースからかなり時間が経っていますが、現在はこのような環境で開発を行っています。
    • jQuery, Struts, Spring
    • Oralce
    • Hadoop

―― 今のチーム課題と、解決に向けた取り組みを教えてください

呉:財務情報室全体の目的は、経営情報を有意義な形で、必要な時に、必要な人に情報を届けられる体制をつくることです。

NEONチーム、会計システムの内製化、長期的に計画をたてて実施していきますが、体制をつくるための人員強化が課題です。内製化を進めるためには現在のシステムの分析が必要になりますが、まずは移管する部署と共同開発という体制を作ってノウハウやシステム開発プロセスをの計画とスケジュールを策定しているところです。

2年後には先ほどあげたプランの実行と、室内での改修・メンテナンス・更新をしていける体制の構築を目指していくために採用活動を強化しています。現在のメンバー数は28名ですが、2年後には40名ほどの組織にしていきたいと考えています。

瀧澤: 企画チームや経営層が財務として求めている数値を素早く正確に提供できるよう、財務・決算業務に関わるオペレーション改善、データフローの整備をやっていきたいと考えています。
精緻化できていない領域が多いのが課題です。
規模が大きいので、まずは状況整理と現状システムのデータフローをドキュメント化しているところです。

藤田: ビリング関連のシステムは古くなりつつあるためシステムのリプレースをしているところです。
ただリプレースするよりも、
システム観点ではなく業務観点からユーザー的・機能的に分解しつつ改良していっています。運用チームが利用する前提ですが、システムがチームメンバー増加に伴うように利用範囲を広げられていないのでそういった点でも改良を続けています。

5つくらいのサブシステムがあり、そのうちの1つを置き換え始めているところで2022年の冬くらいには完了予定で、残りも順次着手予定です。

―― 最後に、チームに興味を持ってくれた人にメッセージをお願いします

呉: 自由度が高く、やれるところが多い部署です。他社の場合、社内システムだとしてもパッケージの仕様や適用方法次第で制約がありますよね。LINEでは柔軟に業務にフィットしたプロセスを設計して作っていけるので、クリエイティブにやっていくことが出来ます。
LINE
グループの財務プロセスをどのようにシステム化しているのか興味のある方、そして他社では真似できないシステムを通じた業務革新をしたい方と一緒に働きたいと思っています。自律性をベースに、主導的な業務遂行をしたい方、溢れるアイデアを継続して話したい方、海外法人との業務に抵抗がない方、お互いに献身的に助ける関係の中で働きたい方のご応募をぜひお待ちしています。

瀧澤: 会計システムの企画から開発テスト、システム運用まで一貫して業務として関わることができるチームです。

会社として改善の余地があるプロセスが多く、自分であるべき姿を提案できるのでそういうスタイルが好きな方には面白い仕事が沢山あります。主体性があり、相手の立場で便利な機能やプロセスを考えるのが好きな方に向いていると思いますので一緒に働きましょう!


藤田:
 精算プラットフォームチーム開発チームのメンバーは、様々なバックグラウンドを持っています。

自社開発サービス系じゃないと駄目ってことはまったくなくて、前職でいうとSIerもメガベンチャーもパッケージベンダーもいて多様性のあるチームです。技術スタックとしてはWeb系の開発をしているという方でもいけるチームです。迷っていたらまずはカジュアル面談をしませんか?お待ちしています。


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